音楽教室を続けていると“ピアノ選びのアドバイスって難しいな”とよく思います。〝先生の御威光?〟と気を遣わせるのではと懸念したり、経済的な事情にあまり触れたくないと思ったり…。でも知っていてほしいことはいっぱいあります。自分のニーズに合ったピアノ選びを♪快適な音楽ライフのお手伝いになれば幸いです
ピアノ・電子ピアノの違い
構造の違い
先ずピアノと電子ピアノは全く違う楽器です。ピアノとはアコースティックピアノとも言われ、ピアノの鍵盤を弾けば、
ハンマーを動かし⇒弦をたたいて音を出す⇒その弦を叩いた振動が、響板と呼ばれる木の板を伝わって響きを生み出します。
弾き方でいろんな表現ができる楽器です。
一方電子ピアノは、鍵盤を弾けば
機械が感知⇒録音されたアコースティックピアノの音を再現⇒内蔵されたスピーカーから音を出力。
アコースティックピアノの音を再現する楽器です。
構造的にはこんなに違う電子ピアノですが、電化製品と同じで各メーカーの努力により年々改良されピアノと同じように楽しめるようになってきているいるようです。
ピアノ講師のおすすめは
もちろんピアノレッスンの練習に最適なのはアコースティックピアノです。
いくら技術が進歩しても電子ピアノがアコースティックピアノに代わることはできないと思います。特にタッチ。おそらくピアノの先生が頭を抱えるのは、生徒のピアノを弾くタッチが育たない事。アコースティックピアノは鍵盤に重みもあり、弾き方でいろんな表現ができるのですが、電子ピアノには限界があります。置く場所と予算があり、音の問題を解決できるなら絶対アコースティックピアノをお勧めします。
しかし無い物ねだりはできません。意外と音の問題解決は難しく、マンションにお住まいだと防音しても振動音が防げなかったり、中にはマンションの規約でアコースティックピアノは置けないマンションも在るようです。音の問題で練習時間を制限されたり、弾くのがおっくうになるなら電子ピアノのほうがいいかもしれません。
ニーズに合った楽器選び
アコースティックピアノ
- グランドピアノ
ピアノの原型ですから理想的と言えます。先述の通り、絶対に電子ピアノにグランドピアノの代わりはできません。しかし場所も取り価格もお高いです。専門家になる気があるのであれば手に入れてほしいです。 - アップライトピアノ
グランドピアノの弦を縦に張り家庭用にしたものです。構造がグランドピアノと違うため、音色だけでなく連打音が少し弾きにくい等々タッチの差もあります。ペダルの構造もグランドピアノとは異なりますが、初級のレッスンにはあまり差しさわりはありません。グランドピアノよりは価格も抑えられる。壁にそって置けるので、場所もとりません。アップライトピアノのほとんどは、真ん中のペダルを踏んで左にスライドすると弱音状態に固定されます。これはグランドピアノにはない機能で、薄いフェルトを介してハンマーが弦を打ち、音量が減少します。まさに何かをはさんで音を響かなくさせているという感じのタッチと音ですが、どうしても練習ししたいけど音を抑えたい時には助かります。解除する場合はペダルを右にスライドして元に戻します。一般に家庭で購入されるアコースティックピアノです。 - 中古か新品か
新品は値が張ります。中古でも信頼できるところで購入すれば、専門家が修理、調整していますので安心です。価格も抑えることができます。
電子ピアノ
とてもいろいろ出回っているので、価格帯とどんな人向きか私なりの見解を書いてみました。
- 鍵盤が88鍵より少ないキーボード
鍵盤のタッチは軽く、またタッチレスポンス機能をもつキーボードでも電子ピアノやピアノ程の強弱表現は難しいです。ほんの導入期、続きそうと判断できれば必ず買い替えるつもりでご購入ください。ぽつぽつ弾いている分にはまだいいのですが、ピアノ演奏に大切な指の感覚は育ちません。そのうち曲を練習するにも鍵盤が足りなくなり、簡易のペダルではペダルを使った演奏の指導にも限りが出てきます。とは言えコンパクトで手軽に持ち運びできる。価格を抑えられる。など、なかなか準備できないで、レッスンを始めたい気持ちに水を差すよりはいいかもしれません。持ち運びがしやすい。レッスン導入期に - 10万円以下
ピアノと同じ88鍵の物もあるが、タッチは、音の強弱はつけられるが少しペコペコしていて弾きにくい。ペダルもコードでつなぐ簡易の物しかついていない製品ではちゃんとした指導はできません。スピーカーでの再現音においても物足りない。気軽に楽しみたい方。もしレッスンが続けば買い替える方。 - 10万円台
15万円ぐらいから鍵盤の一部に木製のものが現れ、搭載されているスピーカーも充実。タッチもアコースティックピアノに近づける工夫がされ、近年ではそのニーズに応えて、かなりアコースティックピアノのタッチに近づけているものも出てきた。初心者、年少者向き。 - 20万円台
鍵盤も木製、スピーカーの数も2個から4個へ。アクション部分にもよりピアノのタッチに近づく工夫がされ、より安心して日々の練習に使える。 - 30万円以上
価格的には中古のアップライトピアノになら手が届く。が、諸事情によりアコースティックピアノを置くことができない方むき。このあたりから、自宅練習用として安心して使っていただけると思います。お値段相応に、鍵盤の質、アクション部の工夫、スピーカーのスペック向上。とより充実していきます。
楽器を準備するタイミング
ピアノレッスンというのは、先生にレッスンをしていただいて、次のレッスンまで自分で練習します。その間、前回のレッスンでいただいた課題や、自分で見つけた目標のために、ほとんどの人は自宅で自分の楽器で練習します。ですからレッスン開始と同時にピアノは必要です。ただどんなピアノを用意すればよいかわからない人は、先生に相談してみるのもいいと思います。せっかくですから自宅で練習する環境を整えましょう。
メンテナンス
- アコースティックピアノ
アコースティックピアノは必ず調律が必要です。大抵は買い求めた楽器店や調律師が、次の調律の時期に連絡してくれます。たまに何かの都合で1度断り、そのまま何年もたってしまった。などということもあるようです。 - 電子ピアノ
繰り返しますが、電子ピアノは楽器ですが電化製品と同じです。年々改良され、新製品が登場します。しかし電化製品は年数がたつと部分的に故障したり、全体の状態が悪くなったりします。お子様の練習にと買ってあげたピアノでも、時々はチェックしましょう。音はまばらになったり、ならない音はないか?タッチが買った時よりそろわずふにゃふにゃしていないか?おかしいなと思ったら、修理や買い替えを検討しましょう。
あとがき
ピアノを選ぶということはエネルギーがいります。わくわくもしますが、高価なだけに失敗したらっどうしようとも思うでしょう。一方教える側の私は、ああもっと伝えるべきだったという失敗談が山ほどあります。だから今回重い腰を上げてピアノについて書いてみました。
調べてみると、電子ピアノの性能は年々改良されているんだなと改めて驚きました。そして自分の生徒も電子ピアノの人が多くなってきました。
これを読んですでにピアノをお持ちの方は、今持っている楽器を愛おしみ、大切にして練習しましょう。まだまだ練習できることはあると思います。それでもどうしても必要と感じたら買い替えを検討しましょう。
これからピアノを買おうと考えている方は、よく考えてご自分のライフスタイルに合ったあなたのピアノを購入しましょう。その選択にこのブログがお役に立てばうれしいです。